NGFレポート

2024年10月28日付

最盛期を迎えているゴルフマーケットの勢いを分析するとき、未知数として挙げられるのは天候です。また、混みあっているゴルフコースのスタート予約状況は、米国内で強いプレー需要が持続していることを示しているのも、そして2024年も記録的なプレー数の年となる可能性があることも母なる自然の恩恵といえます。

ハリケーン・シーズンに、母なる自然がゴルフのようなアウトドア・スポーツに与える影響を目の当たりにするとき、穏やかではないことで思い起こさせます。それでも、全米レベルで見れば、9月のラウンド数は前年比3.6%増でした。その結果、通年のプレー回数は記録的なペースだった2023年の実績を約2%上回りました。

9月のプレーは中部域南部で▲2%、大西洋側南部域で▲8%であったにもかかわらず増えています。後者の大西洋側南部域は、ハリケーン「ヘリーン」が9月下旬にカテゴリー4の暴風雨となってフロリダのパンハンドルに上陸、2日間にわたって南東部を、高潮と最大風速140マイル(時速約40km)の暴風雨により大規模な被害が発生しました。死者は200人を超え、アメリカ本土を襲ったハリケーンとしては過去50年間で2番目に強力で、停電による被害は数百万人に影響を及ぼしました。

ゴルフへの影響は、全体から見ればはるかに小さいのですが、その影響は相当なものでした。

南東部のゴルフコースでは、コース内の木が倒れ、電気が使えなくなりました。クリークなどの水路は氾濫し、橋やコース、バンカーを破壊、フェアウェイやグリーンには瓦礫の山と化しました。小さな被害で済んだゴルフ施設もありましたが、最も大きな打撃を受けた施設は長期の閉鎖を余儀なくされています。
カロライナ・ゴルフコース管理者協会のティム・クレガー事務局長は、この壊滅的な被害は、彼が生きている間に特定の地域が被った被害の中で最悪のものであり、被害の程度は、多くの人がソーシャルメディアやニュース記事で目にしたものを上回っていると述べています。全米で最もゴルフの盛んなフロリダ州では、9月のラウンド数が15%近く減少しました。ジョージア州とノースカロライナ州には900以上のコースがあり、ラウンド数は少なくとも10%の減少が見られています。
オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブでは嵐の影響を受け、倒れた樹木や豪雨の被害を映したドローン画像がソーシャルメディアに流れました。
しかし、南東部以外では状況は大きく違い、ゴルフ・データテック社がNGFから提供された施設のプレーデータを元に作成した全米ラウンドプレーレポートでは6地域のうち5つの地域で、9月のラウンド数は少なくとも4%増加しています。
今年最後の3カ月は、特に11月と12月は例年のラウンド数が少なくなるシーズンでもあり、年末のプレー数が全体に与える影響は少ないのですが、突然の暴風雨や降雪地帯の州でのシーズン短縮など、天候による変動からラウンド数は大きく左右される月でもあります。
2024年のクローズが、天候ではなく、ラウンド数で歴史的に注目されることを祈ろう!
Reprinted with permission of NGF