ゴルフ人口はさらに減少

スポーツ庁:令和6年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」より
スポーツ庁から令和6(2024)年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」の結果が3月11日に公表されました。ローデータの公開は後日となっていますが、公開された発表資料にあるゴルフ参加率と推計されるゴルフ人口は以下の通りです。ゴルフ人口の減少は続いています。
※スポーツ庁の「スポーツの実施状況等に関する世論調査」は、対象人口は18歳から79歳で、サンプル数4万です。調査実施期間は令和6年11月1日(金)~11月28日(木)。発表された数値については、スポーツ庁は実施率としていますので本記事では実施率と表記します。
調査報告は;20歳以上の週1日以上の「運動・スポーツ実施率」(以下「スポーツ実施率」という。)は、52.5%、週1日以上の「運動・スポーツを実施したいと思う者の割合」(以下「スポーツ実施希望率」という。)は、66.6%と乖かい離がみられる。特に20代~40代女性でその乖かい離が大きい。と指摘しています。

ゴルフ実施率の変化をまとめると

公表された報道発表資料によると、2024(令和6)年のゴルフ実施率は、ゴルフコースが全体で5.4%、男性は9.3%、女性は1.6%でした。ゴルフ練習場は、全体は4.3%、男性が7.3%、女性は1.4%でした。経年でまとめたのが表1です。対前年比ではゴルフコース全体で0.1%減、男性は同じ0.1%減、女性は同率で変化なしです。ゴルフ練習場は、全体が0.2%減、男性は0.3%減、女性は0.1%減です。
コロナ前の状況と比較すると、19年比でゴルフコースは全体では1.7%減、男性は3.2%減、女性は0.2%減です。練習場は全体が1.9%減、男性3.3%減、女性0.6%減です。最近5年間ほどの変化で気になるのは男性の実施率の低下が目立ってきている点です。これは“なぜ”なのかを知る必要があると思います。いろいろな要素が考えられますが、例えば人口数でみれば、59歳までは男性の人口が多いのですが、60歳を超えると人口は逆転し女性が多いのです。このように気になる(引っかかる)点はいろいろあります。でも重要な要素ではあるはずです。男性の実施率は年々目に見えて低下しており、ローデータが公開されたら、年齢層別に詳しく見る必要がある気がします。
いずれにせよ、日本が人口減少社会にあることを考えると、計画的なゴルフ振興対策の必要性を関係者は痛感されると思います。これは目標数値の設定、実現可能な計画の作成、継続的な成果評価と改善といった持続性を持った対策が必要となるはずです。PDCAを回しましょうということですね。

 

ゴルフ人口は毎年35万にずつ減少する勢い?

実施率ではイメージを持ちにくいので(私だけか)、ゴルフ人口を推計します。算出方法については別記しましたが、2024年のゴルフ人口はゴルフコースが全体で506万7000人となります。前年比較で社177万2000人、2.4%の減少。減少幅は決して少なくないです。男性は434万9000人で、同様に163万1000人、1.5%の減少。女性は75万3000人ですから12万人、0.7%の減少でした。

ゴルフ練習場の人口は、全体が403万5000人でした。前年より21万1000人、4.1%の減少です。男性は341万3000人で、15万5000人、3.5%の減少、そして女性は65万9000人、6.8%で、5万2000人減っています。特に気になるのは練習場の人口減少です。そして女性の人口の減少はなぜ?と思いませんか。

ここで、実施率と推計人口見ていただけると、ゴルフコースの女性実施率は同率でしたが、人口は5000人減少しています。人口減少社会における人口変化はこのように率で変化がなくても人口は変わってきますから、注意が必要です。数値目標を設定するにしても、パーセンテージによる目標は、このような落とし穴があることをお忘れなく。

ショッキングなことは、コロナ前の19年と24年の人口を比較すると、ゴルフコースは全体で177万2000人、25.9%も減少しています。男性は163万1000人、27.3%、女性は12万人減で13.7%の低下です。そして練習場は全体でコースを上回る193万7000人も減少しています。率では32.4%ですから練習場人口は3分の2に縮小しています。男性は165万7000人、32.7%の減少、女性は31万1000人、32.0%の減少です。年々少しずつだからと思ってはいないとは思いますが、気がつけば???という感じを持ちませんか。この減少を敢えて計算すると毎年35万人ずつゴルフ人口が減っていることになります。ご自身でEXCELに数字を入れてグラフを作成して傾向が分かる線形近似をとってください。これは、正確ではありませんが、敢えて言うなら微分的な考え方で、数式を表示するにすると傾き(傾向)がでます。Y=aX+bのaが傾きです。

推計人口を表2に、グラフは図2にまとめました。

 

2022年にゴルフコース(全体および男性)での実施率がわずかに増えていますが、この増加は一時的な増加にとどまっており、23年には再び減少傾向へと戻っています。ゴルフ人口は、参加率から算出してありますから、結果は同じです。ゴルフ人口の減少が止まる兆候は見られません。米国のような安定した増加になっていないのは背景にある人口(減少)問題であり、日本固有の問題解決が必要です。

ゴルフ振興対策は短期間に効果が出るようなものではありませんが、果たして功を奏しているのかなと考え込んでしまいますね。やはり、面倒でも対策効果を評価できる仕組みが必要です。これは業界関係者が知恵を出し合って作るしか方法はありません。個人の能力で解決できる問題ではありません。このままではゴルフマーケットは縮小均衡が待っているだけになります。市場の縮小を除外とせず、どのようなマーケットを展望していますか? 日本ゴルフ場経営者協会(NGK)が発表している毎月のゴルフ場利用者数の速報値は、私の見る限り2023年中期頃から動きに変化が出ているように見えます。数字をただ眺めているようでは、対策は出てきませんけどね。

※ゴルフ人口の算出は、総務省の2024年11月1日現在の推計人口を元に算出。同調査は5歳刻み人口でまとめられていますから、1歳刻みの人口がまとめられている2023年10月1日現在の確定値から18から19歳の人口比を元に推計しています

スポーツ庁:令和6年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」報道発表資料

https://www.mext.go.jp/sports/content/250311-spt_kensport01-000040805_01.pdf

https://www.mext.go.jp/sports/content/250311-spt_kensport01-000040805_02.pdf