2024年2月29日

米国のゴルフ施設供給状況はここ数年比較的安定しており、2023年末時点のゴルフ施設は1万3,963施設、18ホール換算のゴルフ場数は1万5,963コースでした。

米国のゴルフ場数は、世界で最もゴルフ場数が多い上位10カ国の合計コース数を上回り続けています。米国には世界第2位の日本3倍以上のゴルフコースがあり、世界全体のゴルフ供給量の約42%を占めています。

その米国のゴルフ場数もコース閉鎖数が新規開設数を上回り続けており、この傾向は2023年まで17年間続いているが、最近4年間は減少ペースがかなり低くなっています。問題は、過剰建設と過剰供給が続き、2000年代後半の大不況と住宅バブルの崩壊によって引き起こされた米国ゴルフ市場の調整が終焉を迎えたかどうかです。

2023年のゴルフ場閉鎖件数は、過去20年間で最低に

昨年、米国では約90のゴルフ場(18ホール換算)が閉鎖されました。これはゴルフの需給関係が安定していることを示しています。

昨年の閉鎖総数は、パンデミック前の2019年に記録された米国のコース閉鎖数の約3分の1でした。一方、昨年は2010年以降で最も多い34のプロジェクト(18-HEQで24コースが新規オープンしました。それでもかなり少ないが、その新規オープンコースの中には、一度は回ってみたい注目すべきコースもあれば、6、7、10ホールの従来にはないコースもあります。

しかし、ゴルフコースの閉鎖はしばしば世間の関心を集め、そしてしばしば誤解される話題でもあるため、敢えてここに背景を補足します。
閉鎖は避けられない。どのような業界においても、ビジネスには移り変わりがあります。地域のレストランが閉店しても、ほとんどの住民は「人々が外食をしなくなっただけ」とは結論づけません。しかしゴルフ場の閉鎖は、それとは異なる大きな影響を与えます。地元のゴルフ場がなくなることは、地元のビストロや商店がなくなることよりも大きな影響を与えることが多いために話題になることが多いのです。
ゴルフ場は敷地面積が広いため、多くの緑地が商業用地や住宅用地に取って代わられる可能性がり、その懸念は当然です。また、特定のコースがその地域に提供していたコミュニティが失われることや、物件の築年数や建築様式によっては歴史がなくなる可能性もあります。
しかし、私たちは長い間、コースの閉鎖はゴルフの人気を反映するものでも、ゴルフの健全性を示すものでもないと主張してきました。
そもそもゴルフは主にローカルなものです。ミクロの経済と顧客のニーズがゴルフマーケットに変化を促し、需要と供給のバランスに関連してきます。20年間のコース建設ブームにより、多くの主要市場で競争が激化し、ゴルフの質は(そして価格も)一般的に上昇しました。いくつかのあまり好ましくない「店舗」は閉鎖され、近年では、閉鎖はいわゆる「より高く、より良い利用」の結果であることがより一般的になっています。
マクロレベルでは、コースの閉鎖数は、全国の需給バランスを表しているといえます。
我々は最近のゴルフ人口とプレーの急増を強調してきましたが、ここでは、米国にはスターバックスやマクドナルドの店舗数よりも多い、1万6,000近くのゴルフコースがあり、十分に供給されていることを思い起こしてください。
以上のような背景から、2023年には、大不況前の2004年までさかのぼると、この間のどの年よりも閉鎖コース数が少なかったことが注目されます。
閉鎖がゼロになることはないでしょう。地域の競争圧力はなくならないし、また、土地に対する需要があるため、オーナーが有利な出口戦略として売却の機会を得る場合もあります。巨大な満席を有するゴルフコースは、”芝生よりも土地に価値がある”ということもあるのです。

Reprinted with permission of NGF

出典:

Golf Supply Update: More Openings, Fewer Closings | National Golf Foundation (ngf.org)

New Golf Facilities in the U.S. Report Now Available | National Golf Foundation (ngf.org)