NGF投稿日:2025年9月4日

過去4年間のうちの3年間は、米国のゴルフコースにおけるラウンド数が過去最高記録を達成しました。そして、ゴルフ業界は2025年も記録更新の年を迎える可能性があります。

しかし、ゴルファーは単にプレーする時間が増えただけではなく、ゴルフ施設で過ごす時間も全体的に増えています。

ゴルフ場は、練習場や売店、付帯のアメニティ、そしてより幅広い飲食サービスなど、コース内でのゴルフにとどまらない目的地としての地位を確立し続けており、平均滞在時間は6年前(コロナ禍以前)と比較して28%増加しています。当社の研究者はPlacer.ai *と協力し、歩行者トラフィックデータを収集・分析しました。その結果、ゴルフ場施設での平均滞在時間(ゴルフ目的だけでなく、その他の目的も含む)は近年増加し続けていることが明らかになりました。

平均訪問時間の増加は、既存の公共および民間のゴルフ施設への継続的な再投資と一致しています。

2020年に新型コロナウイルス感染症が流行した直後、ゴルフ場やゴルフクラブは安全な避難場所として活況を呈しました。ゴルフのアウトドア性、幅広い世代への訴求力、身体的・社会的特性、そして精神衛生面でのメリットが広く称賛され、受け入れられたためです。ゴルフの人気が高まるにつれ、多くの施設は健全な財務状況を活かし、ゴルフ体験全体の向上に努めてきました。こうした取り組みは、最も重要な商品であるゴルフコース自体から始まることが多いのですが、クラブハウス、練習場、レストランやその他の飲食施設、ジムやフィットネスセンター、テニスコートやピックルボールコート、その他ライフスタイルに特化したアメニティにも広がっています。
この進化は、ゴルフコースやゴルフクラブがオールインワンのデスティネーションへと進化していることを浮き彫りにしています。訪問データからも、自宅からゴルフコースへ直接向かう人、あるいはゴルフコースから自宅へ直接向かう人の割合が増加していることが分かります。2019年には、自宅からゴルフコースへ直接向かう訪問者の割合は約51%でしたが、2024年にはその割合は58%に急増しました。同様に、ゴルフコースから直接自宅へ戻る訪問者の割合も、2019年の48%から2024年には51%に増加しました。
会員や家族向けに幅広いアメニティを提供するプライベートカントリークラブは、この数字に大きく影響していますが、増加は全米の施設に及んでおり、そのうち約75%は一般のプレーで占められています。プライベートクラブに関しては、NGFがPlayers 1st と共同でまとめたデータによると、特にフィットネス施設とピックルボールの週当たりの利用が顕著に増加していることが明らかになっています。
プレー回数の大幅な増加、そして初心者や若年層の参加率増加を考えると、プレーのペース(そしてラウンド時間の長さ)がコース滞在時間の増加につながっていると考える人もいるかもしれません。しかし、NGFとPlayers 1stによるパブリックコースゴルファーを対象とした調査では、この潜在的な原因は否定され、プレーペースに関する満足度は近年約2%向上しています。
Placer.aiによる歩行者トラフィックの調査結果は、現代のゴルフ施設の進化を裏付けるものです。公共施設であれ民間施設であれ、ゴルフ以外の要素も提供する施設には、投資家や起業家にとって潜在的なビジネスチャンスが潜んでいることを示しています。また、単にコース上でプレーするだけでなく、精神的な繋がりも含めたゴルフとの絆を築くことの重要性も明らかにしています。
Reprinted with parmission of NGF
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注記:
* Placer.aiは、歩行者数などの地理空間データを分析し、現実世界における消費者行動や市場動向に関するインサイトを提供するロケーションインテリジェンス企業です。同社のソリューションは、モバイルデバイスから匿名化された位置情報を集約し、企業やその他の組織が情報に基づいた意思決定を行うのを支援します。
# Players 1stは、ゴルフ場運営者の業績向上を支援するために特別に設計されたカスタマーエクスペリエンス・ソリューションを提供する世界有数のサプライヤーです。Players 1stとNGFは最近、 GolfersVoiceという共同製品を発表しました。これは、公共ゴルフ場が顧客のフィードバックをモニタリングし、ゴルファーに関する実用的な洞察を得るためのツールです。